木曜日の憂鬱

懐かしいたこ入道の灰皿

水曜日の17時に車を走らせた。これから木曜日の朝を目指して京都に向かう。ほぼ1000キロを爆走するのだ。休憩時間を考えても早朝5時には、いや、うまくすれば4時くらいには着くはずだ。少々休息を取り、午前中には仕事を済ませる。あとは京都の休暇を楽しむのだ、と言いたいところだが、そうは問屋が卸さない。金になることも、ならないことも含めて、短時間の間にいろいろとやらなければならないことが山積している。

日奈久SAの夕陽。ちくわを買ってと……

そうなると、空いた時間に飲み歩くことだけが楽しみになる。しかし、なかなか状況が許さない。新型コロナウィルスという厄介な奴が、京都でも息を潜めている。そいつの悪の手にかからないように十分注意して動かなければならない。そう思うだけで気分は萎える。いやいやそんなことではいけない。楽しみのシュミレーションを京都へのドライビングフォースにする。

朝からかどやで一杯

さて、着いたらすぐにかどやで豚汁とビールか……。そいつはダメだな。車を落ち着けるまでは、アルコールはご法度だ。始動は宿の駐車場に車を止めてからだ。昼過ぎか……。山本まんぼかたつみかで少々飲んで、昼寝でもかまして、夜はたこ入道からリスタートだな。久しぶりに無口なドラちゃんを相手に焼酎飲って、顔なじみから俺が不在の間のトピックスでも聞くか。その後は京都の街をたっぷりパトロールして、宿に向かうか。いずれにしてもたこ入道メインで組み立てようか。

山本まんぼ

そうそう、〆のラーメンを忘れてはいけないな。第一旭、横綱、天下一品は行った。大豊ラーメンか天龍か、まあその時の気分で決めようかな。ふふふふふ、しかし、こんなことを考えながら走ってりゃあ、眠気もこないわ。待ってろよ京都! 待ってろよたこ入道! 待ってろよドラちゃん! 待ってろよ京都のおねえちゃん!

第一旭

「山ちゃん、何をニタニタしてる?」
いきなりボスの声が。ずっと助手席で居眠りしてると思ったのに……。
「いや、明日の晩のたこは楽しみだなと」
「ふふふふふ……」
な、なんだ、その不気味な笑いは。
「山ちゃん、残念やな。明日は木曜日、たこ入道は休みや。たこだけやないな。たつみも休み」
う、迂闊だった。金曜日の午後には鹿児島に向けて走らなければならない。唯一の夜が木曜日になるなんて。たこ入道の定休日に当たってるなんて。これは何かの罠か……。木曜日の夜が一気に暗黒になってしまった。

山田”クリオネ”正博

俺は清水哲男事務所のSE、山田”クリオネ”正博だ。たこ入道のHPを勝手につくった男だ。そんな俺が滅多に来ない京都で一晩を過ごすのに、たこに行けないなんて。一気に憂鬱がひろがっていく。味気ない1泊4日弾丸京都ツアーになりそうだ。

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